我慢という毒

こんにちは。
こころの健康支援室 そらいろのmirineです。

嫌なことを我慢する、そんな場面は日常生活の中にこれでもかというほどあふれているのではないでしょうか。
ごくごく小さい頃から、大小さまざまなことを我慢してきたでしょう。
「そういうものだから」と、仕方のないものとして受け入れたり、嫌な気持ちを無理やり押し込めたり、嫌だ嫌だと言いながらもやらざるを得ないということもあったかもしれません。
子どもには、躾の一環として我慢することを身につけさせたりもします。

もちろん、衝動をコントロールする能力を育てること自体は悪いことではありません。
願望の充足を先に延ばすことができるというのは、非常に大切な能力です。
しかし、嫌だという気持ちを押し殺して、なかったことにして、嫌だと感じることをし続ける「我慢」は、たとえ一つひとつは大したことのない我慢であっても、積み重なることで大きな怒りを自分自身の中に育てていきます。

嫌だと感じる自分自身の心を殺し続けた自分に対する深い深い怒りと、自分に自分を殺させ続けた周囲に対しての激しい怒りです。

自分が会社で大変なストレスを抱えながら仕事をしているのに、パートナーが友だちと楽しそうにランチをしている姿を見たら腹が立つかもしれません。
自分が家事に育児に追われて家にいても忙しない心地でいるのに、仕事から帰ったパートナーが家の雑事を手伝うでもなくのんびり過ごしているのを目の当たりにしてイライラすることもあるでしょう。

自分がつらい気持ちを押し殺して我慢しているのに、他人がその縛りから自由である、もしくは自由になろうとしているように見えると、その相手に怒りを感じるのです。
「自分がこんなに我慢してがんばっているんだから、お前も少しは同じ思いをすればいい(すべきだ)」という気持ちになってしまうのです。
我慢が過ぎると、自分にとって大切な、本当はしあわせでいてほしいはずの人に対しても、自分ではそんなつもりもないうちに、相手の自由を制限したり損なおうと動いてしまうこともあります。
大切にしたい気持ちとは逆のことをして、相手との関係にヒビを入れてしまうこともあり得るのです。

我慢は、事の大小にかかわらず、本来の自由な姿を制限するものです。
我慢という毒で自分も相手も動けなくしてしまうことのないように、自分の「嫌だ」という気持ちも時には大切にすくい上げてみてください。

かしこ

- SORAIRO -

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