「王様!大変です!」

こんにちは。

こころの健康支援室 そらいろのmirineです。


陽気があたたかくなり、気持ちが外に向かいやすくなる春に、3密を避けたり、外出を自粛しなければならない今の状況は、たくさんの人に我慢を強いていることと思います。

私自身は、休みにも家にいることの多いインドア派なのですが、それでも天気のいい春の日に、友だちと遊びに出たり、おいしいものを食べに行ったりできないというのは、やはり残念な気持ちになるものです。

もともと人と一緒に何かをしたり、出かけることが好きだという人にとっては、今の状況はとてもストレスの溜まるものだと思います。

そうしたストレスも、すでにそれぞれに様々な方法でどうにか解消しようとされてきたのではないでしょうか。


今回は、新型コロナウイルス対策で自粛中のストレス解消法の一つとして、私がNLPのスクールに通っていた際に行ったワークを一つご紹介したいと思います。

ワークとは言っても、ゲームのように行えるものですので、外出自粛中にご家族で、またオンラインでのビデオ通話等を用いて友だちとも楽しんでみてください。



☆「王様!大変です!」ゲームのやり方☆

①困っていることを書き出す

まず、今ちょっと困っていること、ちょっと悩んでいることを、一人当たり二つから三つくらい紙に書きだしてください。

困っていること一つにつき、一枚の紙に書きだします。

ご家族で行う場合は、書いた紙を他の人に見せないようにたたみ、全員分をまとめて袋などに入れます。

オンラインで行う場合は、他の人に分からないように手元に置いておいてください。


②王様役と大臣役を決める

全員がそれぞれの困りごと、悩みごとを書き出し終わったら、じゃんけん等をして「王様役」を一人決めてください。

王様役が決まったら、今度はじゃんけん等で王様に意見をうかがう「大臣役」を決めます。


③大臣から王様に、困りごとについておうかがいを立てる

大臣役は、困りごとを一つとりあげて、王様におうかがいを立ててください。

全員の困りごとを袋等に入れていた場合は、大臣役はそこから内容を見ずに一枚取り出してください。

オンラインで行う場合は、大臣役になった人が書いた困りごとから一つ選んでください。

大臣役が王様におうかがいを立てる時は、「王様!大変です!」から始めて、いかにも大変そうに困りごとの内容を読み上げます。


④王様は、大臣に「それはよかった!」と困りごとにひそむ「よい点」を伝える

大臣の困りごとを聞いた王様はすぐに、「それはよかった!」と、大臣が伝えた困りごとの「よかった」面を教えてあげてください。

王様役の人は、心底よかったという感じで答えるのがミソです。


⑤メンバーで役を交代しながら、それぞれの困りごとを解消する
もしその困りごとを書いた人が王様の答えに納得がいったら、今度は大臣役の人が王様役に代わります。
王様役だった人は、次の大臣役を指名します。
もしその困りごとを書いた人が王様の答えに納得がいかなかったら、王様役はそのまま続行します。
大臣役は別の困りごとについて、王様におうかがいを立てましょう。

王様がなかなかいい答えを出せずに交代できない時は、いくつかやった後に別の人が王様役に代わってあげてもかまいません。

一人一つ以上、困りごとや悩みごとを王様によって解消してもらえるまでやってみましょう。

自分が王様役でも大臣役でもない時は、もし自分が王様役だったらどんな「よかった」を思いつくか考えてみてください。

いいアイディアが思いついたら、王様にこっそり耳打ちしてご褒美をもらうのもいいかもしれないですね!



私がNLPのスクールでやった時は、王様ではなく社長でやりましたが、おうかがいを立てる役職が難しかったので、王様と大臣にアレンジしてみました。

これは、「リフレーミング」という心理学の技法をゲーム風にアレンジしたワークです。


リフレーミングとは、元々は家族療法の用語で、ある枠組み(フレーム)で捉えられている物事を枠組みをはずして、違う枠組みで見ることを指すとされています(Wikipediaより)。

今までとは違った捉え方をすることで、出来事の受け止め方を変える技法です。

簡単な例だと、試験まで「あと一週間しかない」と考えるのと、「まだ一週間もある」と考えるのとでは、受け止め方がまったく異なります。

さっきのゲームでいうと、「あと一週間しかない」と困って焦っている大臣に、王様が「それはよかった!」と「まだ一週間もある」という見方を伝えることで、大臣はこれまでとは異なる枠組みで試験までの一週間を捉えられるようになるのです。


このゲームは、王様が困りごとを聞いた瞬間に思い浮かぶメリットを、「それはよかった!」と伝えることが肝要で、考え込んでしまったらアウトです。

正直、困りごとを聞いた一瞬で誰かが困っている状況のよい点、メリットを思いつくことはけっこう難しいのですが、大喜利のようにみんなで楽しみながら、うまくすると誰かにとっての困りごとが、誰かの言葉によって別の捉え方ができるようになるかもしれないという点が、このゲームの素敵なところではないかと思います。


生きていれば、いろんな困りごと、悩みごとにぶち当たります。

渦中にいて視野が狭まっていると問題にしか見えないことも、異なる視点を知ることで、思っていたほど大変なことではないと思えたり、視野の外にあった解決法に気づいたり、問題自体が解消することもあり得ます。

自分だけでは視点を変えよう、変えたいと思ってもなかなか難しいですが、ゲームを通して自分とは異なる他者の視点を知ることで、たとえゲームの最中はそれほど響かなくても、後々新しい視点として役立つこともあります。

王様がぽんっと口にしたアイディアが、困っている当人だけでなく、聞いていた周りの人たちにとっても役に立つこともあります。

ゲームという形で、楽しい時間を共有しながら、もしかしたら「文殊の知恵」が出てくるかもしれません。


新型コロナウイルス対策のために出てきた普段は感じていなかった困りごとや悩みごとを、ゲームを楽しみながら少しでも解消できたら。

春休みからゴールデンウィークまで、本来なら楽しいイベントがたくさんあったはずの時間に、3密を避け、外出自粛が必要となってしまったこの状況を、ほんの少しでも乗り越えやすくなるといいなと思います。


新型コロナウイルスに感染しないように、大切な人に伝染してしまわないように、細心の注意をはらいつつ、皆さまどうぞ心身ともにご自愛なさってお過ごしください。


あらあらかしこ


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