もしかしたら身近かもしれないsmall-t

こんにちは。

こころの健康支援室 そらいろのmirineです。


今日で8月も終わりですね。

まだまだ暑いですが、9月を目前にするとぐっと秋を意識してしまいます。

朝晩や日が陰った時等に、ほんの少し暑さが和らぐ気配が出てきました。

今年は梅雨のうちから厳しい暑さが続きましたので、秋が待ち遠しいですね。


数十年前には問題とされなかったことが、今ではハラスメントとして取り上げられる事柄も増えましたが、同じ理屈で虐待も昔に比べるとその範囲が広くなりました。

以前、心理士の方が、嫌がってごはんを食べない赤ちゃんの目の前で、ごはんを食べないぬいぐるみを父親が思いっきり殴って痛めつけ、あらためて匙を差し出すと、赤ちゃんが怯えた顔をして匙を口に含む動画をリポスト(リツイート)されていました。

これは赤ちゃん自身を叩いたわけではないし、しつけの範囲で虐待には当たらないと思う人もまだいらっしゃるかもしれませんが、赤ちゃんの心に大きな傷を残す虐待行為に当たります。

ハラスメントや虐待と言われる範囲が広がったのは、加害者側の視点から見て軽いものとみなされていた行為が、被害者の視点から見るととても重く深い心理的な傷を長期に渡って残すことが分かってきたからです。

そのため、世代が上の人ほど、自覚はなくても、今ではハラスメントや虐待に当たる行為による被害を多く経験してきているかもしれません。


こうした被害がもたらす影響は、被害を受けた自覚がなくとも深く大きく、その人の人生に常について回る影を落としていることも少なくありません。

被害は、その大小にかかわらず、複数の感情が一度に動くこともあって、心の平穏が乱されないように、被害を被害として認識しないことで必死に心を守っていることもあります。

そうすると、自分でも何でか分からないけれど、人や場所が変わっても同じような問題をくり返したり、ちょっとしたことで感情のコントロールがきかなくなったり、いつもどこか人生がうまくいかないような感じがつきまとう等、受けた傷による影響が無意識のうちからにじみ出て生きにくくなっていることもあるのです。


私自身、小さい頃の嫌な思い出でしかなかったことが、あらためて考えると立派なトラウマだなと、最近になってようやく気づいたこともあります。

近年、生命の危機や性的虐待等、誰もがトラウマとみなす出来事を大文字のトラウマ(Big-T)、親の不適切な養育等、個人にとって衝撃的で発達プロセスに影響を与える体験を小文字のトラウマ(small-t)と呼ぶ考えが出てきています。

Big-Tのトラウマを体験したことがなくても、small-tのトラウマは、「もしかしたら自分も?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

ある体験と感情と身体反応が焼きついて、別の似たような刺激にコントロールできない感情と身体反応が惹起される時、本人がどう意味付けているかにかかわらず、その体験は心にとっては大きな傷になっているかもしれません。


手当てをするにも、まずは傷があること、自分が傷ついていることに気づくことが必要です。

自分は手当てが必要な状態であると気づくことが、傷から解放されるための大切な最初の一歩になるのです。


かしこ


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