周りと同じでなくてもいい
こんにちは。
こころの健康支援室 そらいろのmirineです。
先週末の大学入学共通テストで、とても残念な事件が起きてしまいました。
被害にあわれた方々の一日も早いご快復をお祈り申し上げます。
昨今、こうした自暴自棄の末に他者を巻き込み、害するような事件が増えたように感じます。
小さな頃から、周りと同じように、注意深く横を見ながら生きることを身につける、そんな風土が日本にはあるように思います。
出る杭は打たれる、でも出なさすぎてもいじめられたり、劣等感に苛まれたりしてしまう。
だいたいみんなと同じように、でも実らなかったことや失敗は自己責任にされる。
特に学校にいると、特別な事情でもない限り、一年経つとほとんどの人が上の学年に進級し、次の進路に進みます。
大学受験では、現役で大学に進学する人もいれば、不合格となって浪人したり、高卒で社会に出る人もいますが、高校受験で高校浪人をする人はぐっと少なくなりますし、浪人するより現役で合格した人の方に価値を見出す風潮もまだまだなくなっていません。
現役でいい大学に入学し、留年することなく卒業し、いい会社に就職し、適齢期に結婚して、マイホームを買い、子どもを育てる、というようなイメージが、「順風満帆」の人生と感じる方もまだまだ多いのではないでしょうか。
もちろん、そうした人生が悪いというわけではありません。
しかし、すべての人がそうした人生を歩むわけでもありません。
いわゆる「順風満帆」とは異なった道になることが、すべてその人の自己責任に帰結できるわけでもありません。
コロナ禍によって、コロナ以前の環境にはうまく適応できなかった人の中に、コロナ以降の自粛生活で逆に活路を見出した人が出てきたように、人はそれぞれに違っていることで、突然の環境の変化にも誰かは適応して、お互いに助けあって生きれる可能性を担保しているのです。
もし今の環境、今の状況の価値観における「順風満帆」を歩めなかったとしても、それによってその人の価値が損なわれることは本来ないのです。
今の社会で良しとされる価値観にとらわれて、自暴自棄になってしまうのはかなしいことです。
決定的な行動を選んでしまう前に行く先の一つとして思い浮かぶように、心理相談が身近な社会福祉サービスの一つになることを願ってやみません。
個人にできることにはどうしても限りはありますが、そらいろも末席に連なる者として、精進していきたいと思います。
周りと同じでなくても、周りと同じペースでなくても、どんな人もご自身の道を堂々と生きれるような、懐の深い社会になっていくことを祈っています。
かしこ
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