できなかったことじゃなく、できたことを数えるために
一年であれ、一日であれ、出来事をふり返る時、皆さんはどんなことが思い浮かぶでしょうか。
よかったことと悪かったこと、どちらの方がより浮かんできやすいでしょうか?
個々人の性格やコンディション、どんなことがあったかにもよるかもしれませんが、もしかしたら、よかったことよりもそうでなかったことの方が頭に浮かびやすいかもしれません。
ちょっとしたよかったことや、想定通りに上手く運んだこと等、思い通りになったことというのは、「あ~、よかった」で完結してしまう一方、思い通りにならなかったことは、残念に思ったり、後悔したりと残った気持ちに決着がつかないことで心に残りやすい傾向があるようです。
うまくできなかったことや、つい口に出してしまった言葉等が頭から離れなくて、自己嫌悪で落ち込んでしまうという体験をしたことがある、という方もいらっしゃると思います。
どんな一日であれ、実際にはいいこともあれば悪いこともあるものです。
どこに焦点が合いやすくなっているかで、誰かの同じ一日を、ある人はいい日、ある人は悪い日と感じられることでしょう。
思い通りにならなかったこと、だめだったこと、できなかったこと、悪かったこと、そうしたことばかり数えてしまうと、心がしんどくなっていってしまいます。
それなのに、そうした出来事の方が気持ちが残ってしまっている分、頭に浮かんできやすいのです。
そんな時は、よかったこと、できたこと、うれしかったこと、楽しかったこと等を意識して思い出すようにしてみましょう。
「赤」と聞くと、赤に関連した言葉、物事を思い出しやすくなるように、脳内では「赤」だけではなく焦点が合ったことと関連する情報がまとめて活性化します。
よくも悪くも、脳の情報ネットワークは「芋づる式」なのです。
たとえば一日をふり返る時に、まず最初に今日のよかったことを思い出すように意識してみましょう。
最初の焦点をよい方に合わせることを習慣づけると、嫌なことばかり思い出す傾向から少しずつ抜け出しやすくなっていきます。
最初に嫌なことを思い出して、嫌な気分の時によかったことを思い出しても、なんだかそれほどよかったわけでもないような気になってしまいます。
一方で、先によかったことを思い出してから嫌なことを思い出しても、心の状態がポジティブだとそれほど引きずられずに済むこともあります。
心をかき乱すものより、心を安定させることに焦点を合わせるように。
いいことも悪いこともある出来事の中から、記憶の中から、一つでも多く味方を見つけられるように。
まずは最初の一つから、いいこと探しをしてみてください。
かしこ
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