アビリティとキャパシティ

こんにちは。
こころの健康支援室 そらいろのmirineです。

12月に入り、今年も残り一ヶ月をきりました。
新型コロナウィルスの流行で、クリスマスや年末年始も例年通りとはいかないですが、それはそれとして、師走の忙しさはあまり変わらないかもしれません。
くれぐれもご自愛ください。

忙しくなると、普段は気にならなかったことが目についたり、ちょっとしたことでイライラすることが増えたりします。
無意識に声が大きく強い言葉を使っていたり、
ちょっとした言葉尻が気になってカチンときたり、
物の扱いが雑になって落としたりぶつけたり…。
増えたタスクに対処するために労力の大半を使ってしまい、自分をいたわり、他者を思いやる分の労力を残すことができなくなるのです。

「仕事は6割くらいの力でするといい」とか「6割の力で生きる」というようなことを聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
割合は人それぞれかもしれませんが、自分のコンディションをいい状態に保ち、結果的によいパフォーマンスを発揮するためにも、自分自身のケアのために時間や労力を確保することが肝要なのです。

残念ながら、実際には「6割」のラインを保つことが難しいことも多く、社会システムから変えないとどうにもならない部分も大きいかもしれません。
しかし、自分の能力を「アビリティ」と「キャパシティ」に分けて把握することで、自分自身を心身ともによい状態に保つ「6割」のラインを意識しやすくなります。

アビリティとは、身についた(つけた)技術や技能のことで、能力の「する術を持っている(知っている)」面のことを言います。
一方で、キャパシティとは、処理可能な量のことで、能力の「受け入れ容量」に関する部分のことを指します。

自動調理家電でたとえると、調理家電は材料を入れてスイッチを押すだけでいろんな種類の料理を作ることができます(=アビリティ)。
しかし、そのサイズによって作れる量は異なります(=キャパシティ)。
2〜3人前のサイズで4人分の料理を作るのは、もしかしたらギリギリ作れるかもしれません。
しかし、6人分の料理を作ろうとすれば、材料を入れる時点であふれてしまったり、最悪壊れてしまうでしょう。
調理家電Aの中サイズは、50種類の料理を作れるアビリティと、2〜3人前の料理を作れるキャパシティがある、と言えるのです。

人も、アビリティは一度身につけてしまえば比較的長いスパン変わることはありませんが、キャパシティに関しては、その時々のコンディションや状況によって時々刻々と変わります。
何かをできるかできないかを判断する時、アビリティについては「自分がその術を持っているか否か」なので間違いにくいのですが、キャパシティについては見積もりを誤ることがあります。
自分のキャパシティを、ついコンディションがよい時を基準に考えて判断してしまうと、簡単に「6割」のラインを越えてしまうからです。
特に、自分のため使わなければいけない分を、他のことに使い込むことが当たり前になっている人は、そもそも今の自分のキャパシティを見積もる時に、その分も勘定に含めて判断してしまっていることも少なくありません。
そうすると、あっという間にキャパシティいっぱいにまで「忙しさ」で埋まってしまうのです。

自分の心と身体の健康保持に関することや、身の回りの世話、家族への気遣いといった「自分に関すること」に使うべきキャパシティを使い込みすぎると、結果として自分自身が立ち行かなくなります。
自分にとっての「6割」のラインを意識して、それを保てないくらいのタスク量がずっと続くようであれば、自分を守るための方策を考える必要があるでしょう。
あまりに疲労やストレスが重なると、自分を守るにはどうすればいいのかを考えることもできなくなります。
キャパシティオーバーで自分や他者を気遣い、思いやる力をなくしてしまう前に、自分にとっての「6割」のラインを気をつけてあげてください。

かしこ

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